人混みで一気に消耗する理由――情報量から脳を物理的に守るという選択

フェーズ1.5:リソース管理と燃費改善

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思いがけない障壁――外に出ただけで、限界が来る

最悪の状態を少しだけ抜けた頃、
「今日は行けそうだ」と思える日が、
時々訪れるようになった。

最初は散歩ではなく、
住居の道を挟んだ向こう側にあるコンビニ。
慣れてきたら、歩いて7分ほどのスーパー。

しかし、そこで待っていたのは
想像以上の消耗だった。

世界が「ノイズの塊」に見える

店に入った瞬間、
脳が一気に圧迫される。

  • 視界を埋め尽くす商品
  • 蛍光灯の光
  • カラフルな価格表示
  • カートの音
  • 無数の話し声
  • すれ違う人の視線

目に入っているのに、
何が置いてあるのか理解できない。

すべてがノイズとして流れ込み、
冷や汗が出るほど混乱する。

これは「外出が苦手」なのではない。
情報量が、明らかに過剰だった。

なぜ人混みは、これほど消耗するのか

この状態は、
「気の持ちよう」では説明できない。

回復途中の脳は、

  • 情報の取捨選択がうまくできない
  • 不要な刺激を遮断する余力がない
  • すべてに対応しようとしてしまう

つまり、
情報フィルター機能が極端に弱まっている状態だ。

元々エネルギー残量が少ないところに、
大量の未整理データが一気に流れ込む。

結果は単純だ。
瞬時に電池切れを起こす。

私を救った「物理的フィルター」という発想

1年近く、
この情報量に圧倒され続けた。

フードを被る。
普通の帽子を試す。
しかし、決定打にはならなかった。

そんな時、
意外なところからヒントを得た。

きっかけは、配信者の一言

YouTube配信で語られていた、
「ツバの長いキャップを被る理由」。

目を合わせなくていい。
視界に入る情報を減らせる。

この発想は、
回復期の脳にとって理にかなっている
と直感的に理解できた。

選んだ装備

実際に選んだのが、
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私はこれを、
ファッションではなく
情報遮断用の装備として使っている。

なぜ、これが効いたのか

ツバが長い(約8cm)
→ 正面を向いていても、遠景情報が入らない
→ 必要な近距離情報だけを残せる

ツバがカーブしている
→ 側面視界も自然にカット
→ 人の動きがノイズになりにくい

オーバーサイズ設計
→ 深く被ることで、
 「いつでも避難できる視界」を作れる

結果、
「外に出られない」から
「条件付きなら行ける」へ変わった。

これは「逃げ」ではなく、燃費管理

多くの人は、
これをファッションとして使うだろう。

私にとっては違う。

これは
脳のエネルギーを守るための物理フィルターだ。

調子が良いと思って外出しても、
途中で一気に消耗することは珍しくない。

そんな時、
「深く被ればいい」という選択肢があるだけで、
外出のハードルは大きく下がる。

結論:回復期に必要なのは、気合ではない

不必要な情報を減らす。
脳の処理量を意図的に下げる。

それは甘えではなく、
回復を早めるための戦略だ。

燃費の悪い状態で、
フルスペック運転をしない。

それだけで、
生存はずっと楽になる。