はじめに:感情の解凍で起きる脳内のカオス
こんにちは、Satsukiです。
心の凍結が解け、感情が流れ込んできた時、私たちの脳内はカオスになります。「やりたい」と「怖い」、「好き」と「罪悪感」がごちゃ混ぜになって押し寄せてくるからです。
Satsuki式メソッド:フェーズ1では、「感情」を危険な「暴走信号」として扱ってきましたから、カオスになるのも無理もありません。
そして、それらの戻ってきた感情を全て採用してはいけません。 中には、あなたを再び自己犠牲の沼に引きずり込む「偽物の感情」も混ざっているからです。
今回は、このカオスの中から「あなたの人生に必要なデータ」だけを抽出する、Satsuki式フィルタリング技術を解説します。
感情を「A(バグ)」と「B(本音)」に仕分ける論理的フレームワーク
Satsuki式メソッドでは、湧き上がる感情を以下の2種類に分類します。
A. 過去のバグ(廃棄データ)
起源
過去のトラウマ、親の刷り込み、世間体、AC(アダルトチルドレン)としての癖
特徴
「〜すべき」「〜してはいけない」「怖い」「申し訳ない」
判定
これはあなた自身の感情ではありません。
他人の言葉が脳内で再生されているだけの「ノイズ」です
処置
【廃棄】。論理で説き伏せてゴミ箱へ。
バグの役割:なぜまだ残っているのか
かつて、この「ノイズ」はあなたにとって最優先の生存戦略でした。
「他人に迷惑をかけない=攻撃されない」
「親の期待に応える=見捨てられない」
という、幼い頃にインストールされた防御コードです。
しかし、成人した今のあなたが、このコードを使い続けると自己破壊に繋がります。
あなたの生存環境は変わったのに、OSだけが古いまま残っているのがこのバグの正体です。
B. 純粋な主観(採用データ)
起源
あなたの本能、生理的欲求、子供のような心。
特徴
「〜したい」「〜したくない」「好き」「嫌い」「心地よい」「気持ち悪い」
判定
これこそが、除雪車を動かすための「燃料(本音)」です。
処置
【採用】。論理を使って、実現方法を模索する。
識別のための論理コード
では、どうやってAとBを見分ければいいのでしょうか?
感情が湧いた瞬間、以下のコード(質問)を自分に投げかけてください。
「その感情の主語は『私』か? それとも『他人(親・社会)』か?」
例えば、「仕事を休みたい」と思った時。
「絵を描きたい」と思った時。
「週末の飲み会、行きたくないけど…」と思った時。
「主従関係」を逆転させない
ここで重要なのは、
「感情は参謀(データ提供者)であり、決断するのは論理(リーダー)」
という関係性を崩さないことです。
感情(B)が「会社に行きたくない(嫌だ)」というデータを出しました。 ここで感情に主導権を渡すと、「無断欠勤」や「布団で泣き続ける」という短絡的な行動になります。
そうではなく、論理がリーダーとしてこう答えるのです。
「了解した。『嫌だ』という強力なデータを採用する。では、どうすれば行かずに済むか、あるいはどうすれば負担を減らせるか、私が論理的に策を練ろう」
これが、感情をデータとして処理し、論理で解決するということです。
リーダーである論理がすべき、たった一つの行動
感情が強力なデータ(例:会社に行きたくない)を出した時、リーダーである論理はすぐに行動を決定してはいけません。以下の行動コードを必ず守ってください。
コード:【感情の冷却・データ化】
感情の渦中にいるときは判断を保留し、「紙」あるいは「メモアプリ」にデータ(感情)を書き出してください。
感情を文字として客観視することで、生々しい燃料を、論理が扱える「無機質なデータ」に冷却できます。
感情を物理的に自分から切り離し、「参謀からの報告書」として扱えるようになってから、初めて論理は解決策(行くのを辞めるか、負担を減らすか)の策定に取り掛かれます。
このタイムラグが、衝動的な行動を防ぐ安全装置です。
次回はいよいよ最終回。 このフィルタリング技術を使って、論理と感情を統合し、高性能な脳を「自分のため」に走らせる未来図を描きます。
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