はじめに:なぜ「習慣化」はいつも失敗するのか
習慣化がうまくいかない理由は、意志が弱いからではありません。
多くの場合、設計が破綻しているだけです。
調子が少し上向くと、人はこう考えます。
そして、
──こうした「完成形」を、最初から習慣にしようとします。
結果どうなるか。
数日でエネルギーを使い切り、反動が来て、すべて止まる。
ここで重要なのは、
習慣の目的は成果ではない、という前提です。
習慣の目的は
👉 安定した状態を、壊さずに維持すること
それ以上でも、それ以下でもありません。
Satsuki式:習慣を始める前の「設計チェック」
ステップ1:最小メリットを定義する
まず確認すべきは、「その習慣で何を得たいか」ではありません。
“最低限、何が守れれば十分か”です。
大きな目的は、行動を重くします。
目的が重くなれば、必要なエネルギーも確実に増えます。
| 習慣 | 危険な目的 | Satsuki式・最小メリット |
|---|---|---|
| 散歩 | 体力をつけて社会復帰 | 光と空気に触れ、状態をわずかに整える |
| 読書 | 知識を増やし完全に理解 | 思考の暴走を数分止める |
ボールを遠くに投げようとすれば、フォームも力も必要になります。
目の前の箱に入れるだけなら、ほとんど力はいりません。
目的は小さく。極限まで小さく。
ステップ2:その習慣は「トリガー」にならないか
次に確認するのは、その行動が
状態悪化の引き金にならないかです。
一見「良さそう」な習慣でも、
過去のパターンと結びつくと、逆効果になります。
習慣は、回復を進めるための装置です。
壊す可能性があるなら、その時点で不採用です。
実践:挫折しないための3つのルール
ルール1:最低ラインは「塵」レベルで設定する
目標は一つだけ。
「やらない日をゼロにする」
そのために、最低ラインは
👉 達成感が一切出ないレベルにします。
| 習慣 | 完璧案 | 塵レベル |
|---|---|---|
| 散歩 | 30分歩く | ドアを開けて外の空気を吸う |
| 読書 | 1章読む | 本を開く |
| 日記 | 3行書く | 日付を書く |
「こんなこと意味ある?」
そう思ったら、ちょうどいい。
意味を積むのではなく、継続を積むのが目的です。
ルール2:「少し物足りない」で止める
調子が良い日は、やりすぎます。
これは性格ではなく、構造の問題です。
「もう少しできる」と感じた瞬間が、
最も安全な終了タイミング。
余ったエネルギーは、翌日に回ります。
満足感より、反動が来ないことを優先してください。
ルール3:記録は「Yes / No」だけ
評価・反省・感情は、すべて不要です。
- ❌「15分しかできなかった」
- ⭕「やった:Yes」
事実だけを残します。
記録は、自分を裁くためではなく、設計を修正するためのログです。
習慣が止まったときの考え方
「No」が続いたら、それは失敗ではありません。
設定が合っていなかったというデータです。
- 意志が弱い → ❌
- 設定が高すぎた → ⭕
すぐに、最低ラインをさらに下げます。
- ドアを開ける → ドアを見る
- 本を開く → 本の存在を確認する
下げていい。何度でも。
まとめ:習慣は「回復を自動化する装置」
習慣は努力ではありません。
設計です。
完璧を捨て、塵を積み、反動を避ける。
それだけで、状態は壊れなくなります。
回復は、頑張った人から進むのではありません。
壊さなかった人から進みます。

