はじめに:なぜ「今の状態」を把握する必要があるのか
状態が安定しない時期には、
昨日できたことが今日はできず、
今日できたことが明日はできない、ということが普通に起こります。
これは意思や努力の問題ではありません。
内部リソースが常に変動しているという、構造の問題です。
これまでの記事では、
- 状態の波を後から振り返ってパターン化する
- 予兆を見つけて行動を調整する
といった方法を扱ってきました。
ただ、それらは言わば「少し精度の高い天気予報」です。
重要ではありますが、もう一つ足りない視点があります。
それは、
「今この瞬間、自分はどの程度動けるのか」
を即座に把握する手段です。
予報があっても、
実際に外に出た瞬間の空模様が分からなければ、
傘を持つかどうかの判断はできません。
今回は、
その瞬間の自分の状態を、負荷なく把握する方法
について解説します。
きっかけは、ある何気ない質問だった
この方法に気づいたきっかけは、
非常にシンプルな問いでした。
「今、何%元気?」
深い意図もなく、
軽い確認として投げかけられた質問です。
私も同じくらい軽く、
「48%くらいかな」
と、感覚で答えていました。
最初は基準も曖昧で、
数字に特別な意味があったわけではありません。
それでも、このやり取りを繰り返すうちに、
ある変化が起きました。
以前よりも、自分の状態を正確につかめている。
なぜか。
それは、
外部からの問いが、内省のスイッチになったからです。
状態が不安定な時期には、
自分の内側を能動的に観測するだけの余力がありません。
「今どう?」と聞かれることで、
脳に余計な負荷をかけずに、
現在地を確認できるようになったのです。
ルール設計:この方法が機能する理由
この手法を成立させるためには、
いくつかの最低限のルールがあります。
① 100%は「安定していた頃の自分」に設定する
最も重要なのは、
100%の定義を固定することです。
基準は、
「不安定になる前の、自分の通常状態」。
理由は2つあります。
② 考えずに、感覚で答える
この数値は、正確である必要はありません。
精密さは不要です。
重要なのは、
体感をそのまま数値に変換すること。
避けるべきなのは、次の2つです。
有効な方法は単純です。
聞かれたら、2秒以内に答える。
考える前に出てくる数字が、
その瞬間のリアルな体感です。
③「今この瞬間」だけを見る
この数値で測るのは、
1日全体でも、過去でもありません。
今、この瞬間の状態です。
それらを加味する必要はありません。
「今、何%か」
それだけで十分です。
この数値がもたらす、本当の価値
この方法で得られるのは、
あくまで主観的な数値です。
しかし、
不安定さの正体は主観にあります。
数値が下がった瞬間、
あなたは次の警告を受け取ります。
これは感情ではなく、
行動を止めるための論理的サインになります。
これらを「気合」ではなく、
仕組みとして発動できるようになります。
まとめ:主観を数値化すると、制御が可能になる
もし、
自分の状態がゲージで表示されていたら、
判断はもっと簡単だったでしょう。
現実にはそれはありません。
だからこそ、
簡易的な数値を自分で作る。
それだけで、
制御不能だった状態は、
「扱える情報」に変わります。
完璧である必要はありません。
正確である必要もありません。
把握できること
それ自体が、回復を前に進める力になります。

