「塵レベル」でOK――完璧主義を回避し、挫折を設計的に防ぐ習慣の作り方

フェーズ1.5:リソース管理と燃費改善

はじめに:なぜ「習慣化」はいつも失敗するのか

習慣化がうまくいかない理由は、意志が弱いからではありません。
多くの場合、設計が破綻しているだけです。

調子が少し上向くと、人はこう考えます。

  • 今のうちに立て直そう
  • どうせなら、ちゃんとやろう
  • 中途半端は意味がない

そして、

  • 毎日30分の運動
  • 丁寧な日記
  • きちんとしたルーティン

──こうした「完成形」を、最初から習慣にしようとします。

結果どうなるか。
数日でエネルギーを使い切り、反動が来て、すべて止まる。

ここで重要なのは、
習慣の目的は成果ではない、という前提です。

習慣の目的は
👉 安定した状態を、壊さずに維持すること
それ以上でも、それ以下でもありません。

Satsuki式:習慣を始める前の「設計チェック」

ステップ1:最小メリットを定義する

まず確認すべきは、「その習慣で何を得たいか」ではありません。
“最低限、何が守れれば十分か”です。

大きな目的は、行動を重くします。
目的が重くなれば、必要なエネルギーも確実に増えます。

習慣危険な目的Satsuki式・最小メリット
散歩体力をつけて社会復帰光と空気に触れ、状態をわずかに整える
読書知識を増やし完全に理解思考の暴走を数分止める

ボールを遠くに投げようとすれば、フォームも力も必要になります。
目の前の箱に入れるだけなら、ほとんど力はいりません。

目的は小さく。極限まで小さく。

ステップ2:その習慣は「トリガー」にならないか

次に確認するのは、その行動が
状態悪化の引き金にならないかです。

  • 人との接触が負荷になる
    → 集団行動は避ける
  • 思考過多になりやすい
    → 期限付き・評価付き行動は避ける

一見「良さそう」な習慣でも、
過去のパターンと結びつくと、逆効果になります。

習慣は、回復を進めるための装置です。
壊す可能性があるなら、その時点で不採用です。

実践:挫折しないための3つのルール

ルール1:最低ラインは「塵」レベルで設定する

目標は一つだけ。
「やらない日をゼロにする」

そのために、最低ラインは
👉 達成感が一切出ないレベルにします。

習慣完璧案塵レベル
散歩30分歩くドアを開けて外の空気を吸う
読書1章読む本を開く
日記3行書く日付を書く

「こんなこと意味ある?」
そう思ったら、ちょうどいい。

意味を積むのではなく、継続を積むのが目的です。

ルール2:「少し物足りない」で止める

調子が良い日は、やりすぎます。
これは性格ではなく、構造の問題です。

「もう少しできる」と感じた瞬間が、
最も安全な終了タイミング

余ったエネルギーは、翌日に回ります。
満足感より、反動が来ないことを優先してください。

ルール3:記録は「Yes / No」だけ

評価・反省・感情は、すべて不要です。

  • ❌「15分しかできなかった」
  • ⭕「やった:Yes」

事実だけを残します。
記録は、自分を裁くためではなく、設計を修正するためのログです。

習慣が止まったときの考え方

「No」が続いたら、それは失敗ではありません。
設定が合っていなかったというデータです。

  • 意志が弱い → ❌
  • 設定が高すぎた → ⭕

すぐに、最低ラインをさらに下げます。

  • ドアを開ける → ドアを見る
  • 本を開く → 本の存在を確認する

下げていい。何度でも。

まとめ:習慣は「回復を自動化する装置」

習慣は努力ではありません。
設計です。

完璧を捨て、塵を積み、反動を避ける。
それだけで、状態は壊れなくなります。

回復は、頑張った人から進むのではありません。
壊さなかった人から進みます。