うつ病期の夜を救った「長時間配信」――脳疲労を回避する、安全な現実離脱ポイントの見つけ方

フェーズ1.5:リソース管理と燃費改善

うつ病の時期、私を一番苦しめたのは「何もできない時間」だった。
体は動かない。考えようとすると、思考だけが暴走する。

眠れない夜は特に厄介で、意識が半分落ちかけた状態で、過去・後悔・不安が無秩序に再生され続ける。

今回は、そんな夜を何度もやり過ごすことができた
「脳を疲弊させずに、現実から安全に離脱できる環境」について、
私自身の体験をもとに整理してみたい。

これは万能解ではない。
ただ、同じような夜を生き延びるための「選択肢の一つ」にはなり得ると思っている。

「何かしたほうがいい」と分かっているのに、何もできない

妻の勧めでSwitchを買った。
「気分転換になるかもしれない」という理由だった。

選んだソフトはリングフィットアドベンチャー。
面白そうだし、運動不足の解消にもなる――理屈としては正しい。

でも、体は動かなかった。

やりたい気持ちは、もうほとんど残っていない。
「買ったのだから使うべき」という義務感だけがある。
それが逆に、行動をさらに重くしていた。

そんな状態で選んだのが、無料で遊べるFPSゲームだった。
今振り返れば、情報量も刺激も多すぎる選択だ。
当時の私は、それを判断する余力すらなかった。

脳が止まっている状態で、刺激の強い世界に放り込まれる

ゲームは一日中やっていた。
でも、上達もしないし、悔しさもない。

敵に出会って、負ける。
それを、ただ繰り返す。

考えていない。
反省もしない。
疲労も感じない。

今思えば、かなり異様な状態だったと思う。
脳が情報を処理しているのではなく、通過させているだけだった。

「会話が少ない」「悪口がない」という安心感

転機は、妻から教えられた一人の配信者だった。

・一人で黙々とプレイする
・コラボが少ない
・過剰なリアクションがない
・誰かを貶す言葉を使わない

この条件が、当時の私には致命的に重要だった。

うつ病の状態では、
自分に向けられていない言葉でさえ、
なぜか「自分への攻撃」に変換されてしまう。

だから、
罵声が飛び交う配信は見ていられなかった。

その配信には、それがなかった。
淡々としていて、静かで、情報量がちょうどいい。

夜を越えるための「長時間配信」という構造

特に救われたのは、長時間配信だった。

夜、目が覚める。
起き上がる元気はない。
操作もしたくない。
次の動画を探す判断力もない。

そんな状態で、
一度再生すれば、何時間も続くコンテンツは非常に助かった。

・選択を要求されない
・刺激が一定
・途中で意識が落ちても問題がない

戦闘ゲームでありながら、
私の頭の中で起きていた「不毛な内戦」を止めてくれた。

重要だったのは「内容」より「条件」

私を救ったのは、その配信者個人というよりも、
満たしていた条件だったと思う。

  • 能動的に考えなくていい
  • 情報量が少なくても成立する
  • 不快な言葉に触れずに済む
  • 好意を持てる空気がある
  • 現実から一時的に離脱できる

この条件を多く満たすものなら、
配信でも、映像でも、ゲームでもいい。

「何を選ぶか」より、
「脳に何をさせないか」の方が重要だった。

現実から離脱できる“安全地帯”を持つということ

一つの逃げ場があるだけで、
夜は少しだけ短くなる。

それは回復ではない。
でも、消耗を止めることはできる。

そして、消耗が止まれば、
次の一歩を踏み出す余地が生まれる。

もし今、
何もできず、何も選べず、
ただ夜が怖いなら――

「長時間、脳を休ませられる場所」を
探すことから始めてもいい。

それは逃げではない。
生き延びるための設計だ。