思考は止めなくていい。ただ、燃費を良くすればいい。

フェーズ1.5:リソース管理と燃費改善

はじめに:なぜ「何もしていないのに疲れている」のか

回復の初期段階で、多くの人が同じ壁にぶつかります。

「これだけ休んでいるのに、なぜかずっと疲れている」
「体は動かしていないのに、エネルギーが空っぽな感覚が抜けない」

これは意志の問題でも、努力不足でもありません。
原因は、思考の“量”ではなく“燃費”にあります。

私はある時、はっきりと気づきました。

疲労の正体は、行動ではなく
脳内で起き続けている“無駄な思考処理”だった

思考の燃費が悪いと、何が起きるか

思考の燃費が悪い状態とは、
解決できない問題に、延々とエネルギーを注ぎ続けている状態です。

たとえば──

  • すでに終わった出来事を、何度も頭の中で再生する
  • まだ起きていない未来を、最悪の想定でシミュレーションし続ける
  • 他人の言動を、意味のないところまで深読みする
  • どうにもならない理不尽に、怒りを再点火し続ける
  • 常に「どう見られているか」を監視し続ける

これらはすべて、
今この瞬間の回復に一切寄与しない思考です。

にもかかわらず、脳はそれらを「重要案件」と誤認し、
フル稼働で処理を続けてしまう。

結果、何もしていないのに、疲れる。
休んでも、回復しない。

これは「怠け」ではなく、
思考OSのリソース配分エラーです。

Satsuki式:思考の燃費セルフチェック

以下に挙げるのは、私自身が回復初期に
毎日エネルギーを浪費していた思考パターンです。

  • 起きていない未来を、詳細に想定し続けている
  • 過去の場面を思い出して、別の選択肢を反芻している
  • 他人の言動に「裏」がある前提で考えている
  • 解決不能な出来事に、感情を再投下している
  • 常に自分を他人の視点で監視している

もし、3つ以上当てはまるなら、
あなたの思考OSは今、
燃費の極端に悪い運転状態にあります。

重要なのは、
「やめよう」とすることではありません。

まず“見える化”することです。

思考の燃費改善【実践】:紙とペンを使う理由

思考が暴走しているとき、
頭の中だけで整理しようとすると、必ず失敗します。

なぜなら、
思考は“見えないまま”では整理できないからです。

そこで使うのが、
最も原始的で、最も強力なツール──
紙とペンです。

書くことで、思考は
「感情」から「データ」に変わります。

Satsuki式「思考の交通整理」

やり方は、驚くほどシンプルです。

毎日、時間を決めて
頭に浮かんでいる思考を、次の3ステップで書き出します。

① 信号:今、頭を占領している思考は何か

例:
「上司の顔が浮かんで腹が立つ」

② 分類:それはいつの話か

  • 過去
  • 現在
  • 未来

例:
「過去(半年前の出来事)」

③ 処理:今、解決が必要か

YES / NO で答えます。

例:
「NO(もう関わらない相手)」


これだけです。

驚くかもしれませんが、
実際に書き出してみると、ほとんどの思考が

  • 過去
  • 未来
  • 今は解決不能

このどれかに分類されます。

「解決不要」と確認できた瞬間、燃費は改善する

ここが重要なポイントです。

思考は、
無視しようとしても止まりません。

しかし、

「これは今、処理する必要がない」

紙の上で確認できた思考は、
脳内で「重要案件」から外れます。

それだけで、
思考に割かれていたエネルギー消費は
目に見えて下がり始めます。

古代哲学との共通点

この考え方は、
古代の哲学とも一致しています。

ある哲学者はこう言いました。

変えられないものに心を使うな
変えられるものにだけ、力を使え

Satsuki式は、
この考えを「精神論」ではなく、
思考の運用ルールとして実装したものです。

まとめ:燃費が良くなると何が起きるか

思考の燃費が改善すると、

  • 常に感じていた消耗感が減る
  • 「考えているだけで疲れる」状態から抜ける
  • エネルギーを、本当に必要なことに使える
  • 回復が“進んでいる実感”を初めて得られる

ようになります。

思考を止める必要はありません。
性格を変える必要もありません。

ただ、
無駄なアイドリングをやめるだけです。