「やりたい」を理由にする勇気――未来のために「今」を犠牲にするバグを停止する論理コード

フェーズ2:感情の再接続と主観インターフェース

はじめに:「やりたい」を理由にしてはいけない、と思い込んでいた

これは、私がごく最近になって、ようやく気づいたことの記録です。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、私にとっては、人生の設計図が根底から書き換わるほどの出来事でした。

もしあなたが、

  • 休むことに強い罪悪感を覚える
  • 「将来のためだから」と今を削り続けている
  • 「やりたい」だけでは行動してはいけない気がする

そう感じているなら、この記事はあなたのためのものです。

「未来のために今を犠牲にする」という設計思想のバグ

突然ですが、あなたには夢がありますか。

「夢というほどのものじゃなくて……」
そう前置きする人は少なくありません。
私は今、どんなに小さくても、それは立派な夢だと思っています。
もし「夢」という言葉が重いなら、「やりたいこと」と言い換えてもいい。

実は私は、長い間「夢がない人間」でした。
今でこそ、
「居場所のない動物たちが、安心して暮らせる場所をつくる」
という目標がありますが、これを自覚できたのは、ここ1〜2年のことです。

理由は単純でした。
幼い頃から私は、「自分がやりたいかどうか」ではなく、
周囲の期待に応えることを基準に生きてきたからです。

その結果、私の行動原理はこうなっていました。

素敵な将来のために、今は我慢する
未来のために、今を犠牲にする

しかし、ここには致命的な論理バグがあります。

「将来」は、常に先にあります。
5年後を将来と定義すれば、5年後にもまた「将来」が存在します。

つまりこの設計思想では、
「今」が報われるタイミングが永遠に訪れません。

「よく聞く言葉」に隠された共通構造

思い返してみると、こんな言葉が身の回りに溢れていました。

  • いい学校に入るために
  • 立派な大人になるために
  • いい会社に入るために
  • お金に困らないように
  • いい老後を迎えるために

これらの言葉の後ろには、必ず同じ命令文が隠れています。

「今、頑張れ」
「今、耐えろ」
「今、我慢しろ」

私の母も、こうした言葉をよく口にしていました。
そして母は、その「将来」に追いつくことなく亡くなりました。

今振り返ると、母の人生は、
「まだ来ていない未来」のために差し出され続けた時間だったのかもしれません。

行動基準が「未来」にある限り、今は必ず壊れる

行動の基準を「未来」に置くと、構造はこうなります。

未来を良くするために
今は犠牲になっても仕方がない

これは、戦後復興期を生きた世代にとっては、
生き延びるために必要だった設計思想だったとも言えます。

問題は、その設計思想を、
現代でもアップデートせずに使い続けてしまうことです。

私自身、システムが強制停止するまで、
「自分がやりたいから」という理由だけでは、
行動してはいけないと思い込んでいました。

「やりたい」には、常に理由を付け足していた

私の中の行動ルールは、こうでした。

  • 姿勢が良くなり、礼儀が身につくから剣道をする
  • 将来役に立つから本を読む
  • 客観的思考が鍛えられるからシミュレーションゲームをする
  • 手先が器用になるからプラモデルを作る

一見、自分の意思で選んでいるようで、
実際には「役に立つ」という条件を満たさない限り、
「やりたい」だけでは許可が下りない設計になっていました。

漫画ですら同じでした。
私が初めて読んだ単行本は、横山光輝の『三国志』。
「漫画を読みたい」という気持ちと、
「歴史の勉強になる」という理由が揃って、
ようやく自分にOKが出たのです。

「やりたい」は、立派な理由だと教えてくれた人

このバグを停止させたのは、妻の一言でした。

限界が近づいていたある日、
妻にゲーム機の購入を勧められました。

私は迷いました。
やりたい。でも、「やりたい」以外の理由が見つからない。

私「やりたいだけだから、わざわざ買わなくても」
妻「やりたいなら買えばいい」
私「理由がないし……」
妻「やりたいは、立派な理由でしょ」

その瞬間、
私の中で長年当たり前だと思っていた設計思想が崩れました。

「やりたい」
それだけで、行動していい。

私はその後、
ゲーム機を買い、楽器を始め、PCを手に入れ、発信を始めました。
このサイト自体も、私の「やりたい」から生まれています。

「今」を大切にすることで、未来が見えてきた

不思議なことに、
「今のやりたい」を大切にし始めてから、
私は初めて「将来の夢」を見つけることができました。

未来の役に立つかどうかは、正直わかりません。
でも、今の自分のための時間を積み重ねた先に、
未来が形作られていくことだけは、確信しています。

未来のために今を犠牲にする設計は、
一見まっとうに見えて、確実に心をすり減らします。

「やりたい」は、
あなたのシステムが発している、極めて健全な要求です。

どうかそれを、
理由不足として却下しないでください。

今を大切にすることは、
未来を壊す行為ではありません。
未来を生き延びさせる、最も合理的な選択です。